moral #2

「……ここ、どこ」
 車を走らせて着いたところはビームス公爵家のお屋敷ではなかった。
「俺とおチビちゃんの家だよ」
「は?」
 何言ってるんだ、と思っていると抱き上げられて思考が停止する。
「ぴぎゃ!」
「おチビちゃん、ちゃんと食べてる?軽いんだけど」
「うっ……」
 ここ、三日くらい食べてない、といえばきっとフェイスが怒るだろう。
「……」
「食べてないの?」
「……まかないは貰ってた……」
「……へぇ」
 あ、怒った、とすぐに解る。
「……まぁ、いいや」
 ジュニアとしてみれば、公爵家の本邸よりはずっと少ないものの、何人かいる使用人が気になって仕方ない。
 とはいえ、さすが公爵家の使用人。
 主人がいきなり女を連れてきたくらいでは動揺しない。
 執事らしい男にフェイスは指示を出して、そのままジュニアは抱かれたまま連れて行かれる。
 当たり前のように幼い頃の癖でそのままにしていたが、考えれば自分はフェイスの言う事を聞く理由がないと気付いたのはベッドに下ろされた時だった。
「かっ、帰る!」
「は?どこへ?」
「ど、どこって……」
「おチビちゃんの居場所は俺の隣でしょ?」
「……っ」
「約束したでしょ、結婚できる年齢になったら俺のお嫁さんになってくれるって」
「……そ、それは……」
「それは?」
 それはまだ自分が貴族だった頃の話だ。
 今の自分は一般平民であって、公爵家に嫁げるような身分ではない。
「ふぁっく!わかってるだろ、おまえだってわかってるだろ!おれはもう貴族でもなんでもねえんだよ!」
「え?それ関係ある?」
「大ありだろ!おまえは公爵家の次男坊で、おれは単なる一般庶民、しかも王族からの嫌われ一族だ!身分違いにも程があるだろうが!」
「……そっか」
「……」
「わかった」
 言い過ぎただろうか。
 でもこうでもいわないと…そう思ってると、
「じゃあ、俺も爵位返上してくる」
 と言い出すので、頭が真っ白になった。
「は?」
「別にいいでしょ、家はブラッドがどうせ継ぐし」
「え」
「そうしたらおチビちゃんとずっと一緒にいられるよね」
 にこりと綺麗に笑うこの男をみて、こいつならやる。本気でやると、血の気が引いていく。
「や、やめろ!」
「だって、このままだとおチビちゃん、結婚してくれないんでしょ?」
「そ、それはそうだけど……でも、おまえがそんなことしたらブラッドも公爵様も公妃様も泣くだろ!」
「別に家族の縁を切るわけじゃあるまいし……」
「おんなじことだろうが!」
「じゃあ、結婚してくれる?」
「っ……」
 こいつは言い出したらきかない。
 基本的には人に優しいし、甘やかしてくるんだけど、こうだと決めたら絶対に引かないし、結構負けず嫌いだ。
「それじゃあ、おチビちゃんがどーーしても、俺と結婚するのが嫌なら条件をだしてあげる」
「条件……?」
「……聞いたんだけど、おチビちゃんのお父さん、王都を追い出された後、商会で成功したんだってね」
「……」
「でも、一年前に行方不明になって商会は傾いた」
「……そうだけど」
「お兄さんはプレッシャーで病気になって、今はおチビちゃんがどうにか立て直そうと躍起になってる。でも、どこにも相手にされてないんでしょ?」
「……そうだけど、どうしてそれを……」
「それは内緒。まぁ、このままじゃ商会、つぶれちゃうんでしょ?」
「……」
「俺が出資してあげようか?」
「……」
「なぁに、おチビちゃん、ここは喜ぶところでしょ」
「……おまえが先にそういうこと言うときは大体何かたくらんでる時だろ」
「そうかな、おチビちゃんは甘やかしてるほうだと思うんだけど」
「それとこれは別だろうが」
 まぁ、自分でも割と甘えてるところがあるからそこは否定しない。
「アハ、甘やかされてる自覚はあるんだ」
「……」
 ぎしりとベッドのきしむ音がする。
 頬を触れながら、唇が触れるくらいまで顔が近づく。
「おチビちゃんの商会に一年間出資してあげるよ」
「……一年?」
「そう、勿論、ちゃんと商会がうまく行くように口利きもしいてあげる。その代わりに俺は対価を貰う」
「……対価?」
「そうだよ」
 悪戯が正解したかのようにマゼンタが微笑んだ。
「おチビちゃんのはじめて、ちょうだい?」
「ぴっ!」
「どうしたの、そんな驚いて」 「だ、だだ、だって……」 「だってしょうがないでしょ、他に対価になるようなもの、別におチビちゃんは持ってないでしょ?」
「……おれだって、別にそんな価値はねえぞ」
 対価ということは失敗した時の担保だ。
 一応、田舎の土地はあるが、それまでとられたら兄が生活していけなくなる。
「……おチビちゃんは市場価値は高いよ?」
「それはおまえの欲目だろうが」
「……そんなことないって」
 そう言いながら、細い指先がジュニアの顎を撫でた。
「俺がおチビちゃんの後ろ盾になったら、少なくとも変なヤツから狙われなくはなるでしょ」
「変なヤツって……」
「おチビちゃんには現王よりもずっと、王家本筋に近しい血筋なんだから利用したいヤツがいるのは当たり前でしょ」
「……」
「そんな奴らに捕まれば、よくて愛人、悪くてオークションに売り飛ばされるよ」
「……それは……」
「お兄さんは邪魔かもしれないけど、おチビちゃんのことをほしいっていう奴はたぶん沢山いるよ」
「……」
 そこまで頭が回っていなかったのか、ジュニアは目を大きくしていた。
 その様子にフェイスは楽しそうに笑っていた。
「今は大きな商会相手だからまだいいけど、小さいところならそういうことをしようとする奴も現れるだろうね。
ーーだから、俺がおチビちゃんの身元保証人になってあげる」
「……身元保証人?」
「そう、俺の家が後ろ盾になればおチビちゃんの安全も保証されるし、商会の信用もあがるでしょ?」
「それは……そうかもしれねえけど」
 そうしたところで、この男は何も得られない。
「……でも、別に、」
「お兄さん、具合悪いんでしょ?」
「……っ」
「おチビちゃんが事業を成功させたら、お兄さんも安心するんじゃない?」
「……それは」
「なんなら、俺がプロデュースして成功させてあげてもいいし」
「…………だけど、それでお前になんの得があるんだよ」
 自分からしてみれば屈辱的かもしれないが、女なんてこの男は選び放題だ。
 むしろ、勝手に女が裸になってまたがろうとする場合だってあるんじゃないだろうかと思うほどに。
 そんな男が、自分を未だに好きだといって抱きたいという。
「……ね、今晩だけ、俺の奥さんになってよ」
「…………今日だけか?」
「そうだね、とりあえずは」
「……とりあえず?」
「うん」
 何を言い出すのだろうか。
 目の前の男は負けず嫌いだ。少なくとも、自分にとっては。
「……商会の援助をする代わりに、おチビちゃんの体は一晩中俺が好きにする」
「……っ」
「明日からは何もしない、おチビちゃんが嫌がることは」
 すーっと、顎から首筋へ、首筋から鎖骨、と指先が下がり、へその下で指先が止まる。
「……ね?」
「……は」
「もしも、孕んだら責任だってとるし」
「……はら」
「これ以上ない条件だと思うけど」
「は、は、孕むってなんだよ!」
「そりゃにんし」
「い、言わなくても解るし!そ、そうじゃなくてーーー」
「もう、そもそも俺たちは結婚する予定だったんだよ?それをおチビちゃんが嫌だっていうから譲歩してあげてるの。わかる?」
「っ……そ、それは……悪いと思ってるけど」
 自分だって、本当は素直に頷きたい。結婚して、一緒に隣にいたい。
 でも、そんなことをしたらこいつが汚名をかぶることになる。
 こいつには幸せになってほしい。
 貴族でなくなって、今は幸せだと思うし、この生活が性に合ってる。でも、庶民になるということは大変だし辛い。
 でも、自分が貴族に返り咲けるかというと無理だ。男爵家の後妻なんかなら自分でもなれても、公爵夫人なんてそんな大それたモノになれない。
 断ろう。
 そして、自分のことは忘れて貰おう。
 そう思うのに。なのに、


「……三年間、ずっと待ってたんだから、一晩くらい我が儘を聞いてくれてもいいんじゃない?」


 そうすねるように言われてしまってはもう駄目だった。
「……」
 ああ、もう。
 ジュニアは自分でいいわけして、目の前の唇に噛みつくように口づけをした。
「……今日だけだからな」
 唇を離してそう告げればフェイスが思い切りジュニアを抱きしめた。
「ぴぎゃ!」
「ありがとう、おチビちゃん。絶対に大事にするからね」
「今日だけだからな!」
「……まぁ、とりあえずは一年だけでいいよ」
 そう言うと触れるだけの唇をされた。
 そして、
「それじゃあ」
 ベッドから立ち上がって、また持ち上げられる。
「……一緒にお風呂に入ろうね、おチビちゃん」
「……」
「ああ、これからは俺が贈った服だけ着てね」
 これから?と正直疑問に思ったが、まぁいいかとジュニアは深く考えることをやめた。
 そのまま、部屋から通じている浴室に連れていかれる。
「……」
 ひとつひとつボタンがはずされる。
 安物のシャツが床に落ちた。 
 キュロットスカートのホックがはずされて同じように床に落ちる。
「……おチビちゃん、下着つけてないの?」
「ぱ、パンツは履いてるだろ」
「まぁ、履いてるけどさ……」
 はぁ、とため息を吐かれてジュニアは頬に赤みが増す。
 ブラジャーをつけずにサラシを巻いて胸をつぶしてるのは気に入らないらしかった。
 だってしょうがない。
 誰かさんに揉まれた胸は普通のシャツではどう頑張っても入らなくてつぶすしかないのだ。
「っ……」
 パンツを脱がされて、そのままシャワーのコックを回された。
 久しぶりの暖かなお湯が体に降り注ぐ。
 バスタブの中に入れられて、当たり前のようにフェイスも中に入ってくる。
 後ろから抱きしめられて、膝の間に座らせられて、そのまま当然のように胸に触れられた。
「ん、あ…………」
 外気にさらされたからなのか、あるいは3年経過してもこの体の主人が誰なのか解っているかのように触れられただけで反応する。
 タオルを使うことなく、直接手で体が洗われ、乳首が勃ちあがるのが解る。
 泡だらけのお湯がチャプチャプと音を立てて、目を瞑ってもそういうことをされてるんだと理解してしまう。
 情事する時の荒い息と、いつもより低くて楽しげな声が耳元で聞こえる。
 記憶の中にあるフェイスと少しだけ違うのに、それでも体全身が彼なのだとどうしても解ってしまう。
「ここ、誰かに触らせた?」
 ぶんぶんと首を振ると嬉しそうに笑う声が聞こえた。
「そうだよね」
「っ!」
 まるで褒美を与えられるように両乳首を長い指で摘ままれて、そのまま指の腹で潰される。
「ん、んんっ」
「ここ、コリコリしてるね」
「あ、あぁ、あっ」
 先端からじりじり焼き付くような快楽が身体の芯を伝って、下腹部が濡れる。
「……っ」
 胸元からゆっくりと手が胸から下へと伝い、臍の周囲をフェイスの右手の人指し指と中指でぐるりと回される。
「あっ、あぁ……ん、んん…」
 普通の女なら感じないようなところでも感じるだなんて普通じゃない。
 普通じゃないと解っていてもしょうがない。
 だって、そういう風に教え込まれた。
 未だに左手はしっかりとジュニアの乳房を弄んでいて、庶民に身を落とすまでこんなのは普通の情事ではないと知らなかった。
 一方的に蹂躙されて、快楽を拾って、相手を愉しませるようこの身体は調教されきってしまった。
 処女こそ奪われなかったものの、胸も、脇も、臍も、腿も、足も、陰核も―――なんなら、肛門で性交したことすらある。
 処女さえ散らさなければ婚前結婚には当たらないという貴族間の認識はおかしいと知った。
 どうせ、男に抱かれることもないのだ、と思っていたし、過去のことを後悔したことはなかった。
 おかしい日常だったとはいえ、ジュニアだって初恋だったのだ。
 好きな男に求められて嬉しいと思って何が悪いのだ。
 操を立てて生きていこうと思った。ずっと処女でいるつもりだったんだ。
 この男がまた現れるまでは。
「おチビちゃん」
「……っ」
 名前を呼ばれるだけで何を求められてるのか解ってしまう。
 ジュニアはおずおずと足を開いた。
「んっ、あ、あぁ」
 両手が腿を撫でて、クリトリスと、ジュニアの割れ目が同時に触れられた。
 遠慮無くクリトリスが摘ままれて、もう一つの手が、やわやわと表面を撫でてから内側に潜り込む。
 お湯の中でも愛液で濡れそぼってるのが解る。
 自分でも感じるのだから自分の身体を弄んでいるこの男がわからないはずがない。
 ぬかるんだ肉襞を擦るようにしながら指はあっさりと奥へ潜りこむ。膣の中に入った長い指先が身体に馴染んでいくがやがて、行き止まりに辿り着く。
「……ちゃんと、俺のためにとっておいてくれたんだね」
「……っ」
 ―――処女膜だ。
 フェイスがずっと欲しがってたもの、自分が彼に捧げようと操をたてていたもの。
「……そうだよ」
「アハ、嬉しい」
 そう言って、指先が抜かれる。
 これ以上はここでする気がないのか後ろから抱きしめられた。
「……おチビちゃん」
 水音がちゃぷんと聞こえた。
「だいすきだよ」
 その言葉に、ジュニアはどう答えたら良いのか解らなかった。  



「あ、あんっああ」
 手入れのされた指先が、ジュニアの瑞々しい肌に遠慮無く触れた。
 湯船から出て、ベッドに下ろされ、たわわに育った胸に何度も指を食い込ませて乳房の形を変える。
「相変わらず、感度が良いんだから」
「っん!んんっあぁ……」
 揉むだけでは我慢出来なくなって、フェイスの長い舌がコロコロとジュニアの乳首を転がす。
 乳首を思い切り吸われて、唇で甘噛みされて胸を責めるたびにジュニアの口から甘い声が漏れる。
「ぴぎゃっ!あ、ぁんっ、あぁ、ああぁ!」
 乳首に軽く歯を立てられると同時に、クリトリスが思い切り抓られてジュニアは軽く絶頂してしまう。
 息を整えようと肩で息するジュニアを見て、乳房が自分の唾液だらけになっているのを見てフェイスが興奮する。
 やっと帰ってきた――――――。
 そう思うと口元がどうしても笑ってしまう。
 このまま乳房を堪能してもいいが、触れて貰うのを今か今かと待ちわびるように秘部から愛液が飛び散ってシーツにシミを作っていく。
 膝裏に手を差し込まれて、そのまま大きく足が左右に開かれる。
 ぴちりと閉じていた肉芽がフェイスの目の前に差し出される。
「やっ、やめろ!」
 神様が丹精込めて作ったと思えてしまう、それくらい整った顔の作りをしているフェイスが自分の汚いところを舐めている、というのが信じられなくてジュニアは頭に手を置いた。
「んっ、んんっ」
 しかし、力の入っていない手は添えるだけの役割しか持たずに、むしろ強請っているようにしか見えない。
「っ、お、おまんこ、くちゅくちゅしないでぇ……」
 舌で舐め取られながら、長い指先がくりくりと容赦なく硬くしこった部分や柔らかな粘膜を責め立てる。
 浅いところから深いところまで。
 その度に、男を誘うようにヒクヒクと愛液を垂れ流していた。
「……おチビちゃん、わかる?もう三本咥えてるの」
 強すぎる快楽に耐えきれなくて、口をパクパクされながらぐったりとしていると突然話しかけられた。
 何を言われたのだろうか、と思うとゆっくりと指が抜かれた。
 もう終わったのだろうかと思っていると、肉棒が先端に押し当てられる。
「……もういいかな」
「……?っ!あ、んぎっ、あ、あぁ!あぁぁあああっ」
 なにが、と尋ねる前に、めりめりと鈍い音がして、ジュニアの中を火で炙った鉄の棒かと思う程熱いモノが入ってくるのを感じる。
 その圧迫感に驚きながらも不思議と痛みはなかった。
 まるでずっと待ちわびていたかのように自分の体が肉棒を歓迎していた。
「っ……」
「……あ、ぁ…」
 顔をあげれば、気持ちよさそうに目を細めている男の顔があった。
 その顔に、ジュニアの心臓が跳ねる。
「っ、あ、んぁ!や、あぁあああああああっ!」
 やがて何かに引っかかるようにフェイスの腰の動きが止まった。しかし、少し腰を押し進めるとブチッとなにかが破れる音がした。
 ――――処女膜が破られたのだ。
 肉棒が一気に膣内を埋め尽くし、先端が子宮口にぴったりと触れた。 「…ぁ……ああ…」
 激痛なのだろう、フェイスは腰を動かしたいのを我慢して動きを止めた。
 シーツをぎゅっと握っている爪先が青白い。
 フェイスはシーツにさえ嫉妬して、ゆっくりと手を握った。
「おチビちゃん」
「……ふぇいす…?」
 両手をシーツから剥がして自分の手で握ってやると、痛みを逸らす為に閉じていた瞳がゆっくりと開かれる。
 潤んだ瞳が綺麗だと思った。
 あまりにも愛しくてたまらず口づけをする。
 はじめは触れるだけの、次に舌を差し込めばおずおずと返してくれる。
 ああ、なんて愛しいんだろうと思いながら、ジュニアの手を自分の背中に回す。
 そして、今しか感じられない処女を喪ったばかりの膣のキツさを味わいながら、そっと両手で乳房を包んだ。
「っ、あ……」
 乳首を指で摘ままれると、それだけで膣内が蕩けるのが解る。
 顔と顔が離れると銀の糸が2人の間に出来てぷつりと途切れた。
「……おチビちゃん?」
「……」
「動いてもいい?」
「……」
 何を言われてるのかわからないが、フェイスが望んでるなら、と首を縦に振る。
 その様子にフェイスは気をよくして、肉棒が抜けるギリギリまで腰を引いて、そのまま奥までグラインドさせる。
「あ、あぁ」
 襞が肉棒を包みこむように動くたびに、まるで自分の肉棒に合わせて形を変えていくような錯覚に覚える。
「…アハ……おチビちゃんのマンコ、気持ちいいね」
「んっ、あ……あぁ、ん、きもちい……いい、あぁ…」
 思い切り自分に抱きつくジュニアが可愛くてたまらない。
 落とさないように背中と腰に手を回すと、フェイスの胸に押しつけたジュニアの乳房が腰の動きに合わせて激しく揺れる。
 その感触も、手のぬくもりもなにもかもがフェイスを興奮させた。
 なるべく痛みがないように努力しているが、フェイス自身もはじめてのセックスに自分勝手に気持ち良くなりたい、欲望をぶつけたいという気持ちにも駆られる。
 フェイスの肉棒が一回り大きくなって震え始めると、無意識なのか、ジュニアの足がフェイスの腰をホールドする。
 まるで全て子宮に出せと言いたげなそれにまたもや興奮を覚えた。
「…っ、おチビちゃん」
「あ、あ、きもち、い……いい…」
「いい?中に出していい?いいよね、出すよ」
「んっ、なか?う、ん…い、いい、あ……ふぇいす、あ、い、いいっ」
 たまらなくて、噛みつくようにまたキスをすると、更に気持ち良くてたまらなくてジュニアの頭は快楽を追うのでいっぱいで、もうどうでもよかった。
「や、あぁ、なんかくる、や、あぁ…っ」
「…おチビちゃん、イクっていいんだよ、イくって、いって」
「う、うん、イく、あ、イッっちゃう、イく――――――っ!」
 早くなる動きに合わせて、襞がまとわりつき、そのまま熱い精液が子宮に注がれてジュニアは絶頂した。   膣が収縮して肉棒を締め付けて精液を更に促す。
 


 力尽きてそのままベッドに倒れ込むとフェイスがジュニアから肉棒をゆっくりと抜く。
 肉棒の先端と秘部が精液の糸で繋がっていた。
 ジュニアは働かない頭で子宮にたっぷりと注がれた精液の感触を感じた。  


 仰向けになっているジュニアにフェイスがまた手を伸ばす。
「あっ……」
「なに休もうとしてるの」
「だ、だって……」
 もう終わったんじゃ、と思っていたが
「今日、一晩中って言ったでしょ」
「っ」
 考えたらまだ今日は朝が始まったばっかりだ。
 今日、ということは少なくとも0時が回るまではジュニアの体の所有権はフェイスにあるわけで。
「んっ、んんっ…」
「そうだな、今度はこれにキツして欲しいな」
「……あ」
 そう言われて、精液と愛液にまみれたそれを目の前に出されてジュニアは唾を飲み込んだ。
「遣り方は覚えてるでしょ?」
「……っ」
 先程まで自分の中にあったものにジュニアは触れた。
 そして、肉棒の先端にまるで忠誠を誓うかのようにキスをする。
 亀頭を舌でまぶすように舐め取り、そのまま竿を舌で滑らせるように動かす。
 一番下の玉袋に辿り着くと、唇で甘噛みしながら、中の玉を転がすように舐めていく。
 さっきまで自分の中にいて、童貞をすてたばかりだというのに萎える事をしらないそれをジュニアは宝物のように扱う。
 手で竿をもみほぐしながら頬ずりする。
 金色の髪の毛をそっと撫でると、嬉しそうに目を細めた。
 それが合図のように一度顔が離れて、肉棒を一気に根元まで咥える。
 顔の小さなジュニアがフェイスの肉棒を咥えるのは難しく、肉棒の先端がジュニアの喉の奥を擦る。
 献身的な姿はもちろんだが、自分が教えた事を3年経過しても忘れないその様子に征服欲が満たされる。
「……おチビちゃん」
「……」
 目線が不安げに揺れるので「気持ちいいよ」と素直に言うと嬉しそうに微笑む。
「……でも、胸も使って欲しいな」
「……ん……」
 そう言えば、口から離して、年齢にそぐわない巨乳がフェイスの巨根を包む。
 両胸を持ち上げて、逃げないように強く挟む。
 肉棒のカリの深い部分に乳首を擦りつけて刺激していく。
 鈴口を舌で舐め取りながら、自分の秘部が興奮するようにシーツを濡らすのが解る。
 裏筋も舐め取りながらゆさゆさと乳房を揺らすと、肉棒がだんだん震えるのが解る。
 それを見て、胸を左右別々に動かして、肉棒を深くくわえ込む。
「じゅる、ん、んんっ」 
 口の中に出して欲しいといいたげに下品な音を立ててしゃぶるジュニアに興奮しながら、そっと頭に手を置いた。
「んっ、んんっ…んんっうううううううう」
 一度出したのに濃い精液がジュニアの口内にぶちまけられる。
 少しずつ口の中の精液を飲み込んでいく様子に、本当にこの子は庶民として生きて行けると思ったんだろうかと思った。


   一般人として生きて行くにはジュニアは余りにもフェイスに調教されきっている。
 そして、たった今、処女を喪失したのだ。
 多分、本人は気付いていないけれどもう二度と故郷には戻れないだろう。  


「おチビちゃん」
「あっ……」


 フェイスの腹に倒れ込んでいるジュニアを仰向けにして、自分の肉棒を秘部にあてがう。
 クチュクチュと音を立てながらも、挿入しないでいると、「どうして」と言いたげに睨んでくる。
「ほしい?」
「……っ、べ、べつに……いらねえし…」
「ほんとう?」
「っ」
 あてがっていた肉棒を話して、秘部とクリトリスを同時に擦り上げる。
 雄を知った体は与えられる快楽に耐えきれなくて、それでも我慢するかのように唇を噛みしめるが、
「こら、駄目でしょ」
「あ、あぁ……」
 それを許さないとフェイスがジュニアの唇に口づけると、素直に体は言う事を聞く。
「ん、んんんっ、んっ」
 それでもけして与えられることはない。
 その絶望に体が耐えきれない。
「あ……あぁ…」
「ほしくないの?」
「っ……」
「おチビちゃんが嫌なら、おっぱいと口だけでイイかなぁ…」
「や、やぁ……」
「うん?嫌なんでしょ?」
 楽しそうにするフェイスだが、本当は嫌だと言われたら困るのはこっちのほうだ。
 もっとも時間だけはまだある。
 

 けれど、内心ではさっさとケリをつけてしまいたいのが本音だ。
 そう。
 フェイスはジュニアをはじめから一晩で解放するつもりなんてなかった。


  「ほしい、ほしい!」
「…なにが?」
「……な、なにって…」
「おチビちゃんは、なにがほしいの?」
「……」
「だれの、なにがほしいの?」
 そんなの恥ずかしくて言えない、と思っていると、ゆっくりと肉棒が秘部から離される。
 それが悲しくてジュニアははっきりと欲望を口にした。
「…ちん…おちんちん、フェイスのおちんちん!」
「……どこに?」
「……」
「どこにいれてほしいの?こっち」
「や、やぁ…」
 そっと肛門に触れると違う違うと首を横に振る。
「どこに、だれの、なにをいれてほしいの?」
「おまんこ……おまんこに、ふぇいすのおちんちんいれて…」
「……」
 泣きそうな顔にフェイスの加虐心がみたされていく。
 でも、これで終わってはいけない。
「そう、そんなにいれてほしいの…?」
「……っ」
 こくこくと頷くジュニアに口元をあげる。
 そして、
「じゃあ、おチビちゃん、俺のいうこときいてくれる?」
「……いうこと?」
「そう、この書類に、おチビちゃんの名前を書いてくれるだけでいいから」
「……なまえ?」
「そしたら、おチビちゃんの欲しいもの、なんでもあげる」
「なんでも……?」
 冷静な頭だったならば、ジュニアの脳はきっと警鐘を鳴らしていただろう。
 けれど、快楽でグズグズに融けた脳は動かない。
 そんなことで、手に入るのか、と逆に思ってしまう。
「……いや?」
「……う、ううん……かく…なまえ、かく……」
 ぼーっとしている少女にベッドサイドに「たまたま」用意していたペンを渡して、ジュニアが「今は」理解出来ない項目が書かれた二枚の書類をフェイスが渡す。
「ここに書くんだよ」
「……んっ、あっ……」
 ペンを握ると同時に、自分の背中にもたれかかるようにジュニアを抱きしめて、腰を掴んで、一気に肉棒が子宮を目指して膣内に入ってくる。
「ん、あぁ…あぁ…」
「ほら、おチビちゃん、はやく書いて?」
「ん、んんっ……」
 手を添えられて、二枚の紙にレオナルド・ライト・jrをよれながらも綺麗な文字で書かれていく。
 それを確認すると、フェイスは腰の動きを早めた。
「あ、あぁ……あっ」
「あーあ、おチビちゃん、あんなに嫌がってたのに」
「ん、あ……あぁ…」
「これで俺のお嫁さんになっちゃったね?」
「ふぇいすの、およめさん?」
「いや?」
 嫌なはずがない。
 優しくて賢いこの子は口では自分の事を気遣ってくれているだけで、本当は俺のことが大好きなんだから、とフェイスは思う。
 やっと帰ってきたのだ。
「んっ……」
「おチビちゃんは俺のお嫁さんだもんね?なってくれるんだよね?」
「んっ、あ……あぁ…ん…なる…ふぇいすの、およめさん……あ、ぁ…」
「うん、良い子」
「んっ…」
「今日はいっぱい愛し合って、明日には指輪を買いにいこうね」
「あ、うん、んん…」
 今日は嬉しくて離してやれないけれど、昼には軽食を食べて、夜にはハンバーグにしよう。
 明日は指輪と、俺がドレスを買って―――ああ、キースやディノにも結婚したことを伝えなきゃいけないし、一応教会にも言おう。
 おチビちゃんのお兄さんにも手紙を書いて、なんなら王都に呼び寄せて別邸でくらしてもらってもいい。  


 そんなことを思いながら、腰を動かす。
 ジュニアは知らない。今、書かせられたのが婚姻届と、結婚契約書だということ。
 フェイスと結婚を違う書類とは別に、いかに自分がフェイスの妻として一生を終えるのか書かれていることを。
 最低でも週に四日は性行為をすること。
 喧嘩したらその日のうちに仲直りする。
 夫以外の人物との姦通はしないこと。
 夫に与えられたもの以外は身に着けない。
 夫に許可された人間以外とは口を利かない。
 夫を伴わない外出には貞操帯をつけること。
 先に朝起きたら、夫の男性器に奉仕を行うこと。
 ―――――他にも様々なことが書かれた、そんな余りにも身勝手な契約書。
 それでも、ジュニアはサインしてしまった。
 


 契約が絶対である商人であること、貴族と結婚してしまったこと。
 どっちにおいても、二度とジュニアは田舎に戻れないし、フェイスから逃れることは不可能だと知るのは、今日が終わり、シンデレラの魔法が解ける時間。
 とっくに、フェイスの家の使用人が婚姻届を提出し終えて、王都中にビームス家の次男が結婚したと報じられ終わっていた頃のことだった。
   


   

多分、今後このサイトに巨乳ジュニアちゃんは今後出ないんじゃないかな……と思ってるので貴重な巨乳ジュニアちゃん話。